人工内耳と補聴器の両耳装用者6名を対象に,両耳聴効果が認められるかどうか検討した.検査は67S語表の単音節リストを用いた語音別検査とJapaneseHINTを用いた単文の語音聴取閾値検査を実施し,人工内耳単独装用 補聴器単独装用と人工内耳と補聴器の両耳装用のそれぞれに対して比較検討した.人工内耳と補聴器の両耳装用においては、単音節では3名に有意に良好な結果が得られた.方,Japanese HINTでは全症例とも総じて有意に良い結果であった.人工内耳と補聴器から各々異なった音が人力された場合でも認知レベルでは拮抗せず,両耳聴効果が認められる結果であった.人工内耳と補聴器の両耳装用においても脳の可塑性が重要と考えられた.