日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
大気の環境変化と鼻腔通気度
環境調整装置を用いた寒冷負荷による検討
佐野 肇
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 95 巻 11 号 p. 1785-1799,1893

詳細
抄録

正常者を対象とし, 環境調査装置を用いて室温を25℃から15℃へ低下させ, 鼻腔抵抗を測定した. 全体の平均値としては鼻腔抵抗は室温低下により上昇したが, 個々の鼻腔抵抗の変動のパターンは室温低下により抵抗が上昇するものと, 変化を示さないものの2つの型に分けられた. 同じ個体でもその時によって異なる型の反応を示すことが多く, 夏期の実験では抵抗の上昇がみられやすく, 冬期の実験では変化を示さない傾向が認められた. また, 室温低下前の25℃の環境における鼻腔抵抗値は夏期よりも冬期の方が高値であった. 心拍数の変動および起立試験による鼻腔抵抗値の変動と, 室温低下による鼻腔抵抗の変動との間には相関はみられなかった.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top