滲出性中耳炎貯留液中の
C. trachomatisおよび嫌気性菌を含めた一般細菌検査を行った. 急性滲出性中耳炎患者では10.6% (7/66), 慢性滲出性中耳炎患者では22.2% (8/36) に
C. trachomatisが検出できた. 一般細菌検査では, このうち2例に病原菌が検出されたのみであった.
C. trachomatis血清抗体価検査では, 11例にIgG抗体が陽性で, うち1例はIgA抗体陽性であった. 従って貯留液から分離培養された
C. trachomatisは中耳腔において感染をおこしていることが考えられた. クラミジア感染は一般病原菌の場合に比べ炎症症状がそれ程強くなく, 遷延反復する傾向にある. このことより,
C. trachomatisは滲出性中耳炎の発症または遷延化にかかわっていることが示唆された.
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