日本耳鼻咽喉科学会会報
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ネコ喉頭内神経節に関する形態学的研究
特に副交感神経支配について
嶋崎 孝嗣
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1993 年 96 巻 12 号 p. 2044-2056,2193

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抄録

ネコ喉頭内の神経節並びに神経節細胞の分布, 数, 投射, 性質を連続切片による観察, トレーサー法, 組織化学法, 免疫組織化学法を用いて検索した. 神経簿は, 両側の声門傍間隙の吻側部に6-8個, 後輪状披裂筋の背側に4-6個, また下喉頭神経の近傍に1-3個観察された. 神経節細胞は, 喉頭内に両側合わせて600-800個存在し, 同側の迷走神経背側運動核, 交感神経上頸神経節 (SCG), 迷走神経節状神経節 (NG) から投射を受けるとともに, 一方で同側のSCG, NGと喉頭粘膜に投射していた. 神経節細胞はアセチルコリンエステラーゼ陽性反応を呈し, 多くの神経節細胞がVIP陽性を, わずかの細胞がTH, SP陽性を示した.

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