1993 年 96 巻 3 号 p. 409-414,545
腺様〓胞癌の組織型別増殖能を検討する目的で, 過去に手術摘出した16症例についてHowellらの方法に準じAgNORs染色を行い, 組織型別にAgNOR数を求め, 同一個体内ではAgNOR数を, 個体間では平均AgNOR数の比較を行った. その結果, 腺様〓胞癌の増殖能は同一個体内および個体差に関係なく, 充実型が最も亢進し, 次いで索状型で, 篩状型は最も増殖能が低いことが明らかとなった. この成績は著者らのDNA顕微蛍光測光法による成績と同じ傾向を示した. 従って, AgNORs染色法は腫瘍増殖能を反映する有用な方法であると考えられた.