日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
QOL向上のための顎補綴 (第2報)
義顎の安定度に影響する要因
臼井 秀治坂倉 康夫下郷 和雄
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 96 巻 4 号 p. 632-636,735

詳細
抄録

1981年7月より1989年7月までの8年間に100例の上顎顎欠損症例の顎補綴を経験し, 製作装用された義顎の安定度について検討した. 製作された義顎は部分床義歯型64%であり, 顎欠損形態は2/6, 3/6顎欠損で86%を占め, 製作された義顎重量では15g未満で90%を占めている. これらの義顎の安定度は, 全例のうち85%が安定良好であり, 部分床義歯型義顎は総じて安定が良好であるが, 総義歯型義顎のうち36%が安定不可であった. 顎欠損形態別では1/6, 2/6顎欠損で全例が安定度可, 3/6, 4/6顎欠損では80%が安定度可となった. 義顎重量別では15.0g未満で80%が安定可であった.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top