モルモットの受動的耳管開放圧および閉鎖圧を指標とし, 生理的食塩水を対照として, 表面活性物資による耳管洗浄後の変化を調べた. 人工肺サーファクタントによる耳管洗浄後, 耳管開放圧および耳管閉鎖圧は有意に低下したが, 合成リンパ脂質, および界面活性剤洗浄後には有意差はみられなかった. 次に, インフルエンザ死菌を鼓室内に注入して実験的中耳炎を作り, この耳管を人工肺サーファクタントで洗浄したところ, 生食洗浄後に比べて有意に耳管開放圧および閉鎖圧が減少した. 実験的中耳炎鼓室内に人工肺サーファクタントを注入したところ, 5日後に生食を注入した対照群と比較して, 炎症所見の改善がみられた.