日本耳鼻咽喉科学会会報
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難治性口腔・咽頭潰瘍の臨床的検討
稲木 勝英高橋 廣臣
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1993 年 96 巻 9 号 p. 1457-1464,1577

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抄録

口腔・咽頭のみに生じた不規則な形の潰瘍性病変で, 様々な検査でその原因を見いだすことができず, 再発傾向を持ち, さらに適切な治療が行われないと1カ月以上も治癒しない病変を難治性口腔・咽頭潰瘍と定義し, 該当する症例25例に対し臨床的検討を行った.
その結果, 年齢, 性, 既往歴, 病変部位および性状, 予後について特異性を見いだすことができ, 難治性潰瘍は1つの疾患であるものと考察した. また, 難治性潰瘍の病因に関しては, HLA等の素因がある可能性が示唆され, これに何らかの誘因が加わることにより局所の免疫異常を呈し, そのため潰瘍が進行しさらに難治になるものと推測した.

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