日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
鼻Inverted papilloma腫瘍細胞のサイトカイン産生とその分布
横島 一彦大西 正樹滝沢 竜太パワンカール ルビー大久保 公裕奥田 稔
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 98 巻 1 号 p. 66-70,193

詳細
抄録

鼻Inverted papilloma腫瘍内には鼻アレルギー鼻粘膜上皮層同様に粘膜型肥満細胞が集積している. その集積メカニズムを明らかにするために, 鼻Inverted pailloma腫瘍細胞から産生されるサイトカインについて研究を行った.
腫瘍細胞の培養上清中にはGM CSF, IL 6, IL 8が検出された. IL 6とIL 8は腫瘍層の最表層に存在するのに対し, GM-CSFは基底膜近傍に存在していた. GM CSFの分布は粘膜型肥満細胞の分布と同様で, その集積にGM CSFが重要な役割を果たしている可能性が示唆された. この結果は, 鼻アレルギー鼻粘膜上皮層での粘膜型肥満細胞の集積のメカニズムを考える上でも重要な意味を持っているものと考えた.

著者関連情報
© 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top