105人のめまい患者に対して, めまいによる日常生活障害に関する30個の質問項目からなるアンケート調査や行った. 回答を因子分析法で解析したところ, 5個の因子として, 社会活動性の障害, めまいを増悪させる身体の動き, 身体行動の制限, 感情の障害, 対人関係の障害が抽出された. 因子ごとに3個の質問を選択し, 3個ごとの得点を比較したが, 疾患 (末梢性, 中枢性, めまい症), 年齢, 性, 罹病期間別に有意な差はなかった. この結果より各因子3個ずつの質問より再構成したアンケートは普遍的にめまいによる日常生活の障害を評価できると考えられた. 詳細に検討すると, メニエール病患者は前庭型メニエール患者に比し感情障害の得点が高く, 前庭神経炎患者は, VBI患者に比し身体の動きの障害の得点が高かった, このように再構成したアンケートではめまいによる日常生活の障害を因子ごと評価しうるものと考えられた.
抄録全体を表示