日本耳鼻咽喉科学会会報
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鼻腔腫瘤症例におけるacoustic rhinometryの精度と解釈上の問題点について
実験的研究
加瀬 康弘中嶋 正人阿部 和也田中 利善
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キーワード: 鼻腔腫瘤
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1995 年 98 巻 5 号 p. 813-819,927

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抄録

鼻腔内腫瘤症例におけるAcoustic rhinometry (ARと略) の精度とAR測定結果の解釈上の問題点について検討した. 単純な管状のモデル内に種々の容積をもつ球形の粘土を置いて測定した結果, ARで計測された粘土容積と実際の粘土容積には高い相関 (r=0.996) を認めた. AR測定曲線上にみる断面積減少のピークは実際に粘土の置かれた部位よりも後方となり, またピークの後方部分はすべてにわたりAR測定値は減少し, これは粘土容積が大きい程著明であった. 鼻腔鋳型モデル内の種々の部位に容積0.3cm3の錠剤を置いた実験でもAR測定曲線上, 錠剤より後方の断面積・容積は減少し, 錠剤が鼻腔入口部に近いほど鼻腔容積測定値に大きな影響を及ぼすことが判明した.

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