日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報
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総説
補聴器の過去・現在, そして未来への展望
藤坂 実千郎
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2021 年 124 巻 9 号 p. 1256-1261

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抄録

 補聴器は, われわれ耳鼻咽喉科医が最も慣れ親しんだ, 触れる機会の多い人工聴覚機器である.

 難聴者の日常生活の質を向上させるには欠かせないものである. 近年, 認知症の発症リスクに難聴が挙げられたことから, 厚生労働省を中心とした認知症施策推進総合戦略 (新オレンジプラン) にも, 認知症発症の危険因子に難聴が記載された. 従って, われわれ耳鼻咽喉科医が補聴器を中心とした難聴対策にかかわる重要性が増している. そこで本稿は, あらためてわれわれ耳鼻咽喉科医が補聴器の過去, 現在を知り, 難聴対策に十分な役割を果たしていく一助となるように解説を試みた.

 また先人達が目指したように, 技術革新によってもたらされる, まだ見ぬ未来の補聴器への展望も述べてみたい.

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© 2021 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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