日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報
Online ISSN : 2436-5866
Print ISSN : 2436-5793
原著
異なる手術アプローチを行った後部声門狭窄症の2例
志田 洋次郎馬場 洋徳岩井 玄樹堀井 新
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2023 年 126 巻 10 号 p. 1142-1147

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抄録

 後部声門狭窄症は外傷や炎症によって声門後部が癒着する疾患である. 症例1は44歳女性. 声帯突起部の橋状癒着を認め, 後部声門狭窄症 (声帯突起部の癒着) と診断した. 直達喉頭鏡下に癒着を切離した. 症例2は61歳男性. 両側声帯麻痺と診断され気管切開術を受けた. 気管切開孔から観察すると, 声門後部の橋状癒着と右の輪状披裂関節周囲粘膜の線維化があり, 左輪状披裂関節周囲粘膜には軽度の線維化を認め, 後部声門狭窄症 (片側の輪状披裂関節強直を伴う後交連狭窄) と診断した. 直達喉頭鏡では視野確保ができず, 気管切開孔から硬性鏡下に癒着部をCO2 レーザーで蒸散した. 癒着部位に応じて手術アプローチを工夫することが重要となる.

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© 2023 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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