2023 年 126 巻 8 号 p. 1005-1009
近年, 従来の組織生検 (Tissue Biopsy) とは異なる概念である Liquid Biopsy が注目されている. Liquid Biopsy は低侵襲で腫瘍を網羅的かつ包括的に評価できる可能性が示唆されており, 診断や治療前の予後予測だけでなく, 繰り返し行える採取の簡便さゆえ, 治療中のモニタリングへの活用にも期待が高まっている. 本稿では Liquid Biopsy のバイオマーカーの中心である末梢血循環癌細胞 (circulating tumor cells; CTCs) と末梢血循環 DNA (circulating extracellular nucleic acids 〔cell-free DNA; cfDNA〕)/末梢血循環腫瘍 DNA (circulating tumor DNA; ctDNA) について紹介し, 癌治療への応用の可能性を考えたい.