前庭性眼球震盪時ニ於ケル眼球偏位ニ就テ

抄録

1) 一側迷路破壞性眼球震盪ニ際シ發來スル眼球偏位ノ緊張力ハ同一眼筋ノ静止緊張ヨリ大ニシテ, 其極限荷重ヨリ小ナリ.
静止緊張…P
即チ 偏位緊張…P+x ノ關係ニアリ.
極限荷重…P+x+y
2) 前庭性眼球震盪ニ際スノレ眼球偏位ハ從來稱ヘラレツヽアレ如ク“緩徐成分ニ依テ營マルヽモノ”ニ非ラズシテ將ニ來ラントスル眼球周律運動ノ前提現象ナリ. 而シテ眼球震盪發現中モ一貫シテ之ヲ持續ス故ニ又前庭性眼反射ノ一獨立現象卜觀ルヲ至當トス.