1978 年 71 巻 5special1 号 p. 551-558
今回我々は他覚的聴覚検査法の一種である頭頂部誘発反応を用いて, 強大音曝露及び聴器毒性薬物による影響を検索した.
実験動物にはモルモットを使用した. 実験条件として強大音曝露には, 2000, 4000Hz, 110~120dBSPLの純音強大音10分及び1.5時間曝露し聴器毒性薬物にはナイトロミン及びフロセマイドを使用した.
(1) 強大音曝露では, 曝露直後より反応域値は上昇しその後振巾は曝露直前値にまで減少した.
(2) ナイトロミンでも同様に静注後振巾は増大し2日後には注射前の振巾より著るしい振巾の減少をみた.
(3) フロセマイドでは急激な振巾の減少がみられその後漸次回復した. この現象は血管条の変化によるものと推察された.
形態的変化のみられない時期における機能的聴覚変動を脳波聴性賑発反応にて検索した.