耳鼻咽喉科臨床
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細菌内毒素による内耳障害
中井 義明森本 明子張 寛正山中 太木西里 枝久子
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1978 年 71 巻 5special1 号 p. 559-571

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抄録

マウスに大腸菌の内毒素リポ多糖を一定時間間隔の注射を行うことにより, 内耳に下記の如き変化が起ることが見出された.
蝸牛ラセン器では下部回転において内外有毛細胞の変性消失, その一部では骨ラセン板内の神経線維の部分的消失をみた. 上方回転ではその変性の程度は軽度であった.
血管条ではその細胞間隙の拡大, 構成細胞内のライソゾームの出現, 変性などが観察された.
前庭半規管においてはその膨大部稜, 平衡斑のI型, II型感覚細胞に種々の程度の変性ならびに一部消失が観察された.
暗細胞においてもその胞体内に大小種々の空胞増大, Infolding 間隙の拡大などがみられ内リンパ組成の変化していることも推察された.
以上の結果より臨床上原因不明の内耳性難聴あるいは平衡障害の原因の一つとして Shwartzman 反応が付加され得る.

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