耳鼻咽喉科臨床
Online ISSN : 1884-4545
Print ISSN : 0032-6313
ISSN-L : 0032-6313
めまい患者の計量診断末梢性疾患と中枢性疾患の判別
井元 俊夫田中 耕一中井 義明
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 72 巻 8 号 p. 1069-1079

詳細
抄録

1) 末梢性疾患と中枢性疾患を平衡機能検査を中心に頭度の比較を行なったがX2検定で統計的有意差を認めたものは, 聴力障害の有無, ETT, OKP温度眼振テストのCPの有無, 頭位眼振の有無, 頭位変換眼振の有無, CMI, ENGによる眼振の有無, 廻転後眼振検査の9項目の検査であった.
2) 19項目による数量化二類の比較では, 末梢性疾患と中枢性疾患の判別に重要な検査は, 第一に温度眼振検査のCPの有無で以下OKP, 聴力障害の有無, ETT, 廻転後眼振検査, CMI, シェロンテスト, 立ち直り反射検査と続いており, 従来の方法とは違った結果がでた.
3) 数量化二類による19項目の分析で73%をこえる正診率を得た.
4) 数量化二類による判別で, 検査項目を11項目にへらしてもその正診率は70%をこえ11項目の検査によるスクリーニングテストの実用性を認識した.

著者関連情報
© 耳鼻咽喉科臨学会
前の記事 次の記事
feedback
Top