耳鼻咽喉科臨床
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病的音声の客観的評価法
高調波成分強度による解析
平岡 延章北添 康弘上田 寿田中 信三田辺 正博
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1984 年 77 巻 2 号 p. 451-456

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抄録

嗄声ならびに正常音声のおのおのについてその音声スペクトルの高調波強度PHを調べた. 正常音声のPHは67% (危険率5%) 以上であることがわかった. この基準により嗄声の評価をおこなうと30例中27例 (検出率90%) を識別することができた. PHを用いることにより, 信号強度Psを用いた評価 (検出率60%) に比しきわめて良好な結果が得られた.
ここで導入したPHは音声信号からフーリェ解析を用いて容易に得られる指標であり, 臨床における嗄声の定量的客観察的評価に対する簡便かつ良好な指標の一つとして応用できるものと考えられる.

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