日本エネルギー学会誌
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論文
ガスエンジンコージェネおよび空調設備による需要創出型デマンドレスポンスのポテンシャル評価
阿部 良友藤 大輔池上 貴志秋澤 淳
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2021 年 100 巻 11 号 p. 263-272

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抄録

近年,太陽光発電(PV)を中心として再エネの導入が進んでいるが,電力系統の調整力不足が指摘されている。それに対して需要家が需要を変化させるデマンドレスポンス(DR)が需給調整に貢献することが期待されている。本研究の目的は昼間にPVの余剰電力が発生する時に電力需要を創出するDRに着目し,分散型電源がDR に対応したときの省エネ性やPVの出力抑制削減量などを定量的に評価する。具体的にはPV出力が余剰となるタイミングでコージェネを停止し,空調熱源機を燃料式から電気式に切り替えることで空調機能を維持した上で電力需要を増やす運用を複数の業務用建物で評価した。建物単体での評価結果と地域に存在する建物延床面積から地域全体の出力抑制削減量を評価する。評価する地域はPVの導入が特に進んでいる九州電力と東北電力管内を対象とした。評価の結果,いずれの地域においても最大で出力抑制電力量の40%以上の電力をDRで活用できる可能性が示された。

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© 2021 一般社団法人 日本エネルギー学会
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