2021 年 100 巻 6 号 p. 45-54
自然エネルギーを基にした水素貯蔵を伴う小型エネルギー供給システムは自立した運用が可能である。一方,そのシステム規模の推定には自然エネルギーからの入力量やエネルギーの利用量を詳細に評価する必要があり,簡単ではない。ここでは,水素貯蔵を利用したエネルギーシステムに必要な規模の設計指針を,気象データを基に簡単に推定する方法を紹介する。実際のエネルギーシステムの設置には詳細な利用条件を含めた設計が必要となるが,これにより地域性を考慮したシステムの傾向を知ることが可能である。これらの検討から,気象条件の地域差がシステム規模に大きな影響を与えることが分かった。