2021 年 100 巻 8 号 p. 97-101
本研究では,ペレット状ゼオライトに吸着したメチレンブルー(MB)を誘電体バリア放電(DBD)で分解し,ゼオライトを吸着剤として再利用した。DBD処理は,大気圧下の空気中で実行された。プラズマ処理がゼオライト構造に及ぼす効果を調査した。DBD処理の効果は,繰り返し吸着テストでゼオライトに吸着されたMBの量と溶液の全有機体炭素(TOC)によって評価された。プラズマ処理したゼオライトを純水に加えると,ゼオライトからいくつかの物質が脱離した。NMR分析の結果,その物質はベンゼン環構造を持たないことが示された。その結果,ゼオライトに吸着したメチレンブルーはDBD処理によりベンゼン環のない低分子に分解され,次の吸着サイクルで脱着し,ゼオライトの構造を維持したまま吸着部位が回復したことが明らかになった。