2022 年 101 巻 10 号 p. 184-195
再生可能エネルギーの電力利用を前提とした固体酸化物形電解セル(SOEC)を用いた高温水蒸気電解によるオンサイト水素ステーション(on-site HRS)のシステム効率と経済性評価を行った。本研究では,SOECによる水素製造,圧縮工程,高圧タンク貯蔵,冷却工程,および水素供給について,それぞれの技術革新や想定される技術オプションを踏まえ,システム効率とHRS設備コストについて検討した。具体的には,水素製造速度300 Nm3/hの標準的な小型HRS 向けのSOECシステムについて検討し,各要素技術の設計に基づき,HRS設備コストを低減させるための技術的な要件について議論した。これら技術シナリオに基づく感度分析を行い,2025年の国内の目標設備コストである2-3 億円/stationと同等のコストまで低減できる技術的な要請条件について明らかにした。