2022 年 101 巻 10 号 p. 205-209
石炭乾留過程における粒径が異なる粒子で構成される石炭充填層の軟化溶融特性を検討した。膨張性試験を用いて石炭充填層の膨張性を検討し,熱重量計を用いて石炭粒子から放出される揮発分の量を評価した。平均粒子径が67.0 µmの充填層のTD (Total dilatation)は127%であり,平均粒子径が60.5 µmの充填層のTDは80%であることから,石炭の粒径が石炭充填層の膨張に影響を及ぼすことを示した。また,揮発分の放出挙動(すなわち,温度および放出量)が粒径によって異なることを示した。 以上のことから,揮発分の放出速度および放出量が石炭粒子の大きさに依存し,石炭粒子の粒径が石炭充填層の膨張挙動に影響することが示された。