日本エネルギー学会誌
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技術論文
カルマン渦により駆動する誘電エラストマーを用いた水力発電に関する研究
長谷川 賢太千葉 正毅和氣 美紀夫和田 大志
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2016 年 95 巻 9 号 p. 874-880

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抄録

本研究は,人工筋肉(ソフトアクチュエータ)素子として知られる誘電エラストマーが有する発電性能に注目した。誘電エラストマーを利用した小型水力発電の可能性とその性能を評価するために,簡易型の原理証明用デバイスを作製し回流水槽にて実験を行った。この発電機構は一様水流中に固定された円管の後流に発生するカルマン渦により駆動し,効率的に誘電エラストマー発電を可能にした。本機構の重要な要素である翼は円管の後方に設置され,カルマン渦による圧力を受けて振動させ流体エネルギーを機械エネルギーに変換する。その機械的外力により誘電エラストマーによって電気エネルギーへと変換される。直径60 mmの円管を用い翼のスパンとコード長をそれぞれ120 mmと30 mm,翼と円管の距離を170 mm,流速を0.50 m/s時に,発電効率約3.6%で約16 mWの平均出力パワーを確認した。

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© 2016 一般社団法人 日本エネルギー学会
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