日本エネルギー学会誌
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技術論文
カセットガスを燃料とする可搬型エンジン発電機の排出ガス特性に関する調査研究
川村 淳浩遠藤 祭
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2017 年 96 巻 12 号 p. 525-531

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抄録

可搬型エンジン発電機は,工事現場やアウトドアレジャーの他,災害発生時に生存や生活のための必要電力を供給する電源としてたいへん有用な機器である。この機器は,排出ガス中に高濃度の一酸化炭素を含むため,屋内での使用が認められていない。しかし,災害発生時には,被災者に比較的近接した状況で使用されることが想定されるため,二次的な被害を防止する観点からの排出ガス清浄度を確保する必要があると考えられる。本研究は,このような観点から,カセットガス式可搬型エンジン発電機の排出ガス特性に関する調査研究を実施した。この結果,下記の結論を得られた。1)モデル解析により,被災者が活動するテントに対する排出ガス中の許容上限一酸化炭素濃度が求められた。2)様々な組成の市販カセットガス燃料による排出ガス性能の違いは認められなかった。3)三元触媒適用と空燃比調整によって,目標とする排出ガス浄化の実現可能性が示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本エネルギー学会
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