2017 年 96 巻 8 号 p. 332-338
本研究では,ルテニウム系触媒の担体として,メタケイ酸ナトリウムを原料とし,尿素を沈殿剤とした方法で球状シリカ粒子の調製を試みた。シリカ粒子の均一性は,メタケイ酸ナトリウムと尿素の比率により調整可能であり,そのサイズは20~1600 nmまで調整可能であることが確認された。ルテニウム担持触媒はこれらのシリカ粒子を担体として含浸法により調製したところ,ルテニウム溶液の濃度により担持されるルテニウム量が変化し,そのルテニウム量によって二酸化炭素水素化からのギ酸合成活性が変化することが確認された。一方,担持されるルテニウム量はシリカ担体の粒径が小さいほど増大するが,活性にはそれほど影響しないことが確認された。