日本エネルギー学会誌
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論文
Investigation of the Wet Extraction of Hydrocarbons from a Heterotrophic Microalga, Aurantiochytrium sp. 18W-13a, by Cell Disruption Using a High-pressure Homogenizer
Yuka FUKUDAShun TSUTSUMIYasuhiro SAITOYohsuke MATSUSHITAHideyuki AOKIShinya FUKUDAIwane SUZUKINarumi TANI
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2018 年 97 巻 12 号 p. 353-361

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抄録

従属栄養性の微細藻類Aurantiochytriumは細胞内部に炭化水素を産生し,他種の藻類と比較して増殖速度が大きい。 Aurantiochytriumの湿潤状態の細胞から炭化水素を抽出する方法を検討するため,高圧ホモジナイザーを用いて細胞を破砕した。 細胞の破砕および抽出条件が細胞の形状,炭化水素の抽出率および炭化水素抽出におけるエネルギー収支に及ぼす影響を評価した。破砕の有無にかかわらず,抽出時間の増加に伴い,炭化水素の抽出率は増加した。また,高圧ホモジナイザーによる破砕処理では,1回目の処理で細胞は断片化され,2回目の処理では細胞の形状のさらなる変化はなかった。40 minの抽出時間では,破砕処理をした試料からの炭化水素の抽出率は未処理の試料からの抽出率と比べ10倍以上高い。その一方で,180 minの抽出時間では,破砕処理をした試料および未処理の試料からの抽出率は同程度であった。これは,長時間n-ヘキサンと接触することでAurantiochytriumの細胞が破砕されたためである。また,破砕した試料を40 min抽出した場合の消費エネルギーは,同程度の抽 出率を得るために未処理の試料を180 min抽出した場合と比べ78%削減可能であった。

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© 2018 The Japan Institute of Energy
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