2018 年 97 巻 12 号 p. 362-369
難燃焼性石炭の燃焼性改善に向けて,微粉炭および製糖排出ライムケーキ(LC),または製紙排出ペーパースラッジ(PS)を乾燥重量基準で等量かつバインダー無しで加圧造粒した燃焼助剤(CCI:Coal Combustion Improver)を開発した。本CCIによる燃焼性改善効果を確認するため,ベンチスケールの循環流動層燃焼炉を用いて,石炭に対してCCIを10%混焼して検討した。850℃における試験の結果より,石炭とCCIを混焼すると灰中未燃分が減少し,排ガス中SO2濃度が減少し,フライアッシュの性状が改善された。これは,火炉投入時にCCIが加圧造粒前の微粉炭およびLC粒子またはPS粒子,あるいはそれらの複合粒子へに直ちに解離し,燃焼場において相互的に作用したためと考えられた。