2019 年 98 巻 10 号 p. 259-264
現在環境問題の解決策としてバイオマスなどの再生可能エネルギーを利用した発電が注目されている。本研究では高効率であるスターリングエンジンを元に,作動流体に蒸気を利用すれば高出力を達成できるのではないかと考えた。そして,スターリングエンジンの定容加熱過程に蒸気を入れた場合について考え,サイクルの計算を行った。その場合理論上サイクルでは元のサイクルに比べて高圧になった。さらにその場合出力を大幅に向上させることが可能であるということが確認された。これをγ型スターリングエンジンにおいても計算を行い出力の向上を確認した。さらに,このエンジンを,バイオマスを燃料として稼働させた場合の効率について計算を行った。結果効率よく稼働させるためには,木材チップ1 kgに対して水が50 kg以上必要であることが分かった。このことから冷却にさえ注意すれば効率よくバイオマスを利用して発電が可能であり,尚かつ実用的なレベルであるということが分かった。