日本エネルギー学会誌
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論文
地理情報システムを活用した非住宅建築物におけるガスエンジンコージェネの導入ポテンシャル推計
友藤 大輔 秋澤 淳
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2019 年 98 巻 4 号 p. 52-61

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抄録

第5次エネルギー基本計画において,コージェネレーション(コージェネ)の導入促進が示されている。コージェネが普及する際,地域のエネルギー需要や地域の導入ポテンシャルに適した規模で普及することが望ましい。本研究の目的は業務部門のコージェネの省エネ性と事業継続に必要な電力の確保が両立するポテンシャルを推計することである。さらに,一般ガス事業者の供給区域に属し,電力系統の潮流改善に貢献するポテンシャルを地域別に推計することを試みる。 建物のエネルギー需要やコージェネの省エネ性は,所轄行政庁に届出のあった省エネ計画書の分析結果等に基づく 2013年度の標準的な建物仕様を参考に,建築物の総合エネルギーシミュレーションツール“BEST”を用いて分析する。地理情報システム(GIS)を用いることで地域に存在する建物用途や建物位置情報の特定,延床面積の推計ができる。さらに,GISを用いることで電源を立地したとき,電力系統の潮流改善に貢献できる地域や一般ガス事業者の供給区域を特定することができる。 推計の結果,全国の業務部門の省エネ性と事業継続に必要な電力の確保が両立するポテンシャルは約24.8 GW存在し,約14.9 GWのポテンシャルは一般ガス事業者の供給区域に属し,電力系統の潮流改善に貢献する。

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© 2019 一般社団法人 日本エネルギー学会
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