日本エネルギー学会誌
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特集:アジアバイオマス科学会議Ⅰ(資料)
Greenhouse Gas Emission of Electricity Generation and Field Abandonment Scenarios Using Empty Fruit Bunches at a Palm Oil Mill, Surat Thani Province, Thailand
Haruhiro FUJITA Katsuyuki NAKANOTaweep CHAISOMPHOBErliza HAMBALI
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2019 年 98 巻 5 号 p. 119-123

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抄録

インドネシア,マレーシア,タイではアブラヤシ空果房(EFB)のパーム油工場空地での堆積放棄が常習化している。この慣習は悪臭やEFB嫌気分解によるメタンガスの発生という環境問題を生みだしている。本研究では,タイ南部,スラタニ県,タチ小自治区に位置するパーム油工場にて放棄された湿潤EFBサンプルを採取し,天日乾燥させて,物理計測に供した。13.2%含水率でのかさ密度は0.118 kg/Lであった。LCA 手法により発電およびEFB 嫌気分解によるメタン発生による温室効果ガス(GHG)排出を比較した。パーム油工場から59 km離れたスラタニ・バイオマス発電所までEFB を621 kg積載した4トントラックにて輸送する条件にてタイ国のGHG排出係数を適用した。システム境界はEFBが放棄されるパーム油工場および上記最寄りのバイオマス発電所までを含めた。EFB 1 kgあたりの輸送,発電および堆積放棄(メタン発生)のGHG排出量はそれぞれ0.077,-0.877および2.136 kg-CO2eであった。一方,発電使用した場合は合計-0.8 kg-CO2e換算と,より少ないGHG排出量であった。

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© 2019 The Japan Institute of Energy
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