日本エネルギー学会誌
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論文
Hydrogen Sorption and Cyclic Compressor Performance of V40Ti21.5Cr33.5M5 (M= Nb, Zr, Fe) Alloys
Suganthamalar SELVARAJAnkur JAINHiroki MIYAOKAYoshitsugu KOJIMATakayuki ICHIKAWA
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2019 年 98 巻 7 号 p. 157-164

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抄録

V40Ti21.5Cr38.5合金を用いた圧縮サイクル安定性と水素貯蔵特性をさらに改良するために,Crを一部第4元素であるニオブ,鉄,ジルコニウムで置換して,V40Ti21.5Cr33.5M5合金を合成した。 これらの水素吸蔵放出におけるサイクル特性について,温度に関しては20~300℃,圧力に関しては5 ~20 MPaの範囲で100サイクルまでの評価を行った。これら3種類の組成の試料は,サイクル安定性だけでなく吸蔵放出について異なる性能を示した。V40Ti21.5Cr33.5Nb5合金は,50サイクルの圧縮サイクル試験の後に,比較的高い水素吸蔵量と適切な安定性を示し,最適な組成であることが分かったが,V40Ti21.5Cr33.5Fe5合金は, 最低の水素吸蔵量とサイクル安定性を示した。しかしながら,その他の合金と比較して,V40Ti21.5Cr33.5Fe5合金は結晶構造と携帯観察の結果から,サイクル過程において,いかなる相分離も認められなかった。このことは,相分離が圧縮サイクルにおけるBCC合金の性能劣化の合理的な理由ではないことを示している。V40Ti21.5Cr33.5Fe5合金と類似の様々な状況において,サイクル過程での結晶構造における応力やひずみの導入は材料の劣化を引き起こしている可能性がありうると考えられる。

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© 2019 The Japan Institute of Energy
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