2020 年 99 巻 10 号 p. 182-189
持続可能な再生可能エネルギー原料として,国内木質バイオマス利用の促進は重要である。木質バイオマス材は重量取引が一般的であるが,用材向け原木は体積による取引が行われてきた。用材向け原木の価格が低迷している昨今,市場にてバイオマス材として原木を競り落とす動きも見られ,低価格帯の原木を市場取引した場合に,利用者が不利益を被る状況が生じていると推測された。そこで,三重県南部の原木市場における原木材積の過小評価とその課題について検討した。原木丸太を測定した結果,すべての原木丸太の長さが過小評価されており,また,原木丸太の測定値に基づきスマリアン式によって求めた材積は,実際の取引材積の1.116倍から1.444倍であった。