日本エネルギー学会誌
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特集:アジアバイオマス科学会議Ⅱ(論文)
Environmental Impacts of Fuel Cell Assisted Bicycles in a Sharing Scheme
Emi HOSOBUCHI Chiharu MISAKINoboru KATAYAMAYin LONGKiyoshi DOWAKI
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2020 年 99 巻 11 号 p. 230-235

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抄録

近年,環境負荷の小さい交通手段として,コミュニティサイクル(シェアサイクル)が注目を集めている。本研究では,環境負荷低減や,バイオマスエネルギー(下水汚泥等)由来の水素燃料の利用を考慮した,自転車シェアリングシステムを検討する。従来のコミュニティサイクルには,リチウムイオン電池を搭載した電動アシスト自転車が用いられているが,本研究ではその代替システムとして,航続距離の延長と環境負荷低減を目途に,燃料電池(FC)を搭載したシステムを想定した。なお,H2はメタン発酵工程を経て精製されることとし,水素貯蔵には水素吸蔵合金(MH)を用いることとする。また,仙台市をモデル地域とし,提案する自転車の環境負荷を,ライフサイクルアセスメント(LCA)を用いて評価した。FC自転車の性能を考慮し10 年間の環境負荷を試算した結果,自転車シェアリングにFC 自転車を用いることによる環境負荷の低減が示唆された。従来のコミュニティサイクルと比較して,非生物資源枯渇領域において15%,地球温暖化領域において10%,環境負荷を低減することが明らかになった。

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© 2020 The Japan Institute of Energy
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