日本エネルギー学会誌
Online ISSN : 1882-6121
Print ISSN : 0916-8753
ISSN-L : 0916-8753
ノート
SO2およびNH3ガスの下水汚泥炭化物への吸着挙動
隈部 和弘 服部 航希千嶋 将史守富 寛
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 99 巻 9 号 p. 158-164

詳細
抄録

下水汚泥堆肥化乾燥および炭化技術を用いた新しい省エネルギー汚泥処理システムにおける脱硫・脱臭技術を開発するために,市販の熱力学平衡計算ソフトウェアおよびラボスケール固定層反応器を用いて,SO2およびNH3ガスの汚泥炭化物への吸着挙動を検討した。SO2およびNH3の中和反応(SO2 + 2NH3 + H2O + 1/2O2 = (NH4)2SO4)のエンタルピー変化は,低温ほど低くなった。2SO2,4NH3,2H2O,O2の熱力学平衡計算は,0-200℃においては固相の(NH4)2SO4が生成する結果を示した。ガス賦活した炭化物のガス吸着量は賦活無し炭化物より多く,SO2およびNH3ガスの汚泥炭化物への空間時間が長いほど,ガス吸着量が増加した。NH3/SO2ガスモル比が硫安生成の化学量論モル比である2の場合,SO2およびNH3ガスの気相反応率および汚泥炭化物へのガス吸着量が高かった。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本エネルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top