燃料協会誌
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石油界展望
昭和27年1月26日新春特別講演会講演
中原 延李
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1952 年 31 巻 4 号 p. 156-158

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抄録
その原料の95%を国外に仰いでいるわが国の石油工業は, 世界の石油情勢を刻々に反映している。世界の石油確定埋蔵量は年消費量の25倍で, 石油工業は一応健全であるとされている。世界の製油能力は消費量に対しやや不足している。わが国では, 太平洋岸製油所の再開以来, 外国会社との提携または連絡で目覚ましい製油能力の増大をみせ, 今年度末には約10万bbl/日に達するものとみられ, 航空用ガソリンや高級潤滑油以外は充分国内で製造できる。世界の原油の生産は巧緻をきわめた機構で計画され運営されており, わが国の輸入原油の62.7%は中東から, 20.7%は米国から, 残りの16.6%が東南アジァからのものである。輸入原油を運ぶ油槽船は31隻あるが, その牛数以上は戰標船で能率が悪く, 新船の建造が要求される。石油の統制や価格もむづかしい問題を孕んでいるが, 今後日本の石油業は, 施設の近代化により, いかなる製品も国際価格で売り得なければならない。
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© 社団法人日本エネルギー学会
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