燃料協会誌
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石炭の乾溜時におけるコークスの脱硫に関する研究
その牛工業的試験給果について
加藤 常太郎竹下 健次郎
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1954 年 33 巻 10 号 p. 531-536

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抄録
石炭の乾溜時にコークスの脱硫を行わせるため, 数種の添加剤を加えて乾溜し, その脱硫効果をしらべた。実験的な試験およびこれにもとづいて行つた水平レトルトによる半工業的な試験の結果から, つぎのことが明らかになつた。塩化アンモンはコークスの張度と反応性にほとんど影響しないが, 脱硫効果が低い。シアンアルカリは炭酸アルカリと混合して使用すれば石炭中の有機性および無機性硫黄の大部分を除くことができるが, コークスの張度が若干低下し, 反応性はいちぢるしく増大する。これらの方法を工業的に用いることは, 塩化アンモンの場合は脱硫効果が小きいため, シアンアルカリの場合は炉の煉瓦を侵蝕するため, いづれもむつかしいと思われる。なお, これらの添加剤による脱硫機構にも検討を加えた。
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