燃料協会誌
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亜炭酸化生成物の利用
昭和30年11月22目特別講演
犬飼 豊春
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1956 年 35 巻 5 号 p. 301-309

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抄録
従来石炭を原料として化学工業製品を製造する場合には, その原料炭を加熱して乾溜するか, 或いはガス化して後種々の化学反応を行わしめて作られていると考えるのが常道である。しかるに筆者は比較的若年炭である亜炭などを酸化してさらに加工して得た物質が液-固-液三相連続の膠状液の解膠乳化分散剤として優れた性能を有することを発見し, 石油鑿井の循環泥水並にセメントスラリーに応用して良好な効果を牧めた。なおこの物質が粘土質などの微粒子の分散遅硬剤としてセメント製造, 泥漿の操作, 陶磁器類の製造2鉱山における選鉱の際の重液の粘性降下剤或は肥料として土質改良剤, 有機酸性物質なる故に配合肥料調合原料などとしてきわめて有効なることを発見し, この研究を企業化することに成功し小規模乍ら工業生産を開始した。需めに応じてここにその一端を紹介するものである。なお本研究は帝国石油株式会社技術研究所および通商産業省工業技術院資源技術試験所にて研究し蓄積された幾多の試験結果に因るもので両研究所の研究員各位に深く感謝の意を表するものである。
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