日本エネルギー学会誌
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An Overview of Coalbed Methane Research in the U.S.
Earl M. Whitney
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キーワード: Coalbed methane, Research, USA
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1994 年 73 巻 3 号 p. 156-166

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抄録
コールベッドメタンは炭層内に含まれる, 石炭生成時に生成したメタンを主成分とするガスであり, 米国における賦存量は400TCF (1.1×1013m3) と見積もられている. コールベッドメタンの開発は, 当初鉱山保安のためのガス抜きとその一部の利用にとどまっていたが, 現生ではメタンが強力な温室効果ガスであるため, 地球環境問題の視点から, 従来大気中に放出されていた炭層からのメタンの有効利用が議論され, また, 経済性の点からも天然ガスと同等以上の品質と低廉な採掘コストによりコールベッドメタンは資源として有望視されている. 現在, 米国のコールベッドメタン生産は主にSan JuanおよびBlack Warrior堆積盆で行われており, ここ数年, 生産量は急速に増加し, 1992年の国内生産量は550BSCF (1.5×1010m3) に達している. 本総説では, 米国において行われているコールベッドメタン研究を、多成分ガスの吸着挙動やメタンの吸着状態の検討による基礎研究, 各種モデルおよびシミュレーション計算による貯留体特性の研究, 坑井仕上げおよび生産井に関する研究の3分野に大別し, 各分野における最近の研究動向を概説する.
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© The Japan Institute of Energy
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