抄録
基板の実装密度を向上させるため, 薄膜コンデンサを有機樹脂基板に損傷を与えずに直接形成する方法を開発した。耐熱性に劣るガラスエポキシ樹脂基板上に室温で誘電体膜を形成できる電子サイクロトロン共鳴化学気相成長法 (ECR-CVD) を用いることと, 基板表面の粗さを改善するため樹脂をコートすることにより実現した。誘電体膜としては, SiO2膜を使用し, 膜厚300nmで容量13.1nF/cm2, 比誘電率4.49 (1kHz) の特性が得られ, また, 125℃の高温放置試験では500時間経過後も容量値の変動も3%以内と良好であった。