プリント配線板上の電極で発生するイオンマイグレーションのメカニズムを明らかにするため, 2つのモデル化解析手法を提案し検討した。第1のモデル化手法は2枚の銅電極の間に寒天ゲルを挟んで電流印加するもので, イオンマイグレーションの基礎電極反応解析と現象の可視化を狙いとしたものである。第2のモデル化手法は, 銅薄膜電極の導通抵抗変化の測定により, イオンマイグレーションによる銅溶解速度を測定するものである。両モデル共所期目標通りのモデル化が可能であり, 電極周囲環境は反応を促進する方向に変化する, イオン移動への金属錯化剤の関与, 樹脂中へのイオンの溶存と溶解度の概念, 絶縁抵抗の向上によるイオンマイグレーションの抑制効果などの知見が得られることがわかった。