国際ICT利用研究学会論文誌
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象戯圖に基づく大将棋の復刻
高見 友幸喜田 隆司
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 1 巻 1 号 p. 117-122

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抄録

象戯圖は大型将棋のルールが記載されている最古の古文書である。象戯圖に基づき大将棋を復刻した。大将棋のルールに関する記述は全部で数行にすぎないが,既になされている摩訶大将棋の復刻情報と組み合わせることで,大将棋の復刻を実現することができた。大将棋が摩訶大将棋よりも後で成立したという説に則り,先行する摩訶大将棋のルールを大将棋でも踏襲した。大将棋の復刻に関連する主要な成果としては,1)仲人が横に1目動けること,2)鳳凰と麒麟が2目の踊り駒であること,3)桂馬は踊り駒であり,動きも現代将棋と異なること,4)成りに関するルールが大将棋と摩訶大将棋で同じであること,5)師子の2駒同時居喰いが解明された点である。特に,これまで不明であった大将棋の成り駒を明らかにできたことが大きい。

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