2003 年 66 巻 4 号 p. 320-326
代表的な抽水植物であるマコモ (Zizania latifolia) が生育する, 都市近郊の近自然小河川において, 表流水および土壌間隙水の栄養塩量の変化の測定によるマコモの浄化機能の把握, マコモの刈り取りにおける栄養塩の総除去量の推定, の2つの調査を通じて, 今後の河川における浄化対策について検討を行った。その結果, 近自然小河川における抽水植物の浄化機能は, 表流水には確認できず, 夏期の土壌間隙水に対して現れることが明らかになった。また, 抽水植物による浄化機能が有効性を示しうるのは, 汚濁の進行していない河川であることが, 刈り取りによる栄養塩除去量の推定により推測された。