広葉樹の中には, 習性として当年伸長シュートの先端を萎縮あるいは脱落させて仮頂芽を形成するものが少なくない。そしてその結果として, 仮軸分枝は樹木のtree architecture (樹体構築) の意義を考える上で無視できない形質である。本研究では, ふっうに目に燭れる日本産広葉樹約710種のうちから明らかに仮頂芽を形成する236種について, まずシュート上の仮頂芽形成位置との関係による類型化を試みた。更にその結果に基づいて仮頂芽形成樹種の分類位置や地理的分布並びに生活形との関係についても考察した。