1990 年 54 巻 5 号 p. 293-298
住宅敷地の有する空間的な条件と高木の分布特性との関係を明らかにし, 住居系市街地における高木の保全および緑化方策を検討することを目的に研究を行った。調査対象地は, 身近な緑に対する住民の満足感が比較的高く, 高木が市街地に点在し, 地形が平坦で, ほとんどが住居系の用途地域で占められ, 建築形態は戸建て住宅が中心に占められている地域とした。敷地毎に敷地の有する条件と高木の分布位置を調査した結果, 空地巾の増加に伴う高木本数の増加傾向および空地面積の増加に伴う高木本数の増加傾向は, 北面する空地および南面する空地においての方が, 東面する空地および西面する空地においてよりも著しく大きいことが把握された。