抄録
地被材料として利用される機会の多いササ類のうち, クマザサ, アケボノザサおよびヤクシマザサについて当年生稈が出筍してから枯死するまでの地上部の変化を調査し, 植栽地におけるササ類の管理方法について考察を加えた。その結果, クマザサは, 分枝能力が低いが, 着葉数の季節変化が少ない, アケボノザサは, 枝数および葉数の季節変化がダイナミックで, 分枝能力が高い, ヤクシマザサは, 分枝能力が比較的高く, 当年生葉の展開量が多い, 等の特性が示された。この他, 稈の活性が劣り始める稈齢や, 稈や葉の寿命が異なること等, 種によって, 刈込を中心とした管理方法を違える必要を述べる上で, 重要な示唆が得られた。