日本人の動物観をとらえるために, 動物に対する態度の類型化の調査をもとにして, アンケートによる全国調査を行った。 アンケートの設問は, S.ケラートがアメリカ人に対して行った同様な調査の設問を日本人に適するような内容に改めて用いた。
日本人の動物観の特徴を動物に対する態度からみると, 審美的態度がもっとも高く, ついで宿神論的態度と倫理的度が高い。 このことから動物に対して心理的・情緒的態度が強いことがわかる。 また, 自然主義的態度や生態学的態度などの客観的・論理的態度は相対的に少なく, 実用的態度や支配者的態度などの動物を即物的に扱おうとする態度は少ないことが明らかにされた。