ランドスケープ研究
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脇水鐵五郎の風景論
赤坂 信石川 忠治
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1995 年 59 巻 5 号 p. 13-16

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抄録
脇水鐵五郎は, 明治の末期から昭和の初期まで地質学をもとに風景論を展開した。このとき脇水は, 風景の構成要素を明らかにし, 風景評価を行うという点で地質学の理論を風景の評価に持ち込んでいる。名勝地や国立公園のような大風景地の成因の大変わかりやすい地質学的解説という実績を残し, 海外の風景と比較して勝ると考えられる海岸風景美と渓谷美をその中心的テーマとした。また脇水の海岸風景の3要素という風景の類型化の展開が, 国立公園の実際の選定で取り入れられていった。やがて海岸風景地の国立公園指定に対する強い要望は戦況の深刻化とともに影をひそめ「時局」に沿った路線へ転換していった。
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