抄録
本研究では, 淀川河川公園の中から自然環境の保全・育成を目的とした自然地区と自然の中で遊び, 学ぶことを目的とした野草広場地区を対象とし, 利用者の行動や自然との共生といった観点から空間整備のあり方を探った。その結果, 利用者はより自然度の高い空間を望んでおり, 徒歩圏外から訪れる人や高齢者はその傾向が強いことが明らかとなった。特に, 自然地区の中のヨシの群落地区では自然を守りつつも積極的な自然との触れ合いが求められ, 多様な利用施設の存在する野草広場地区では自然度を低めない空間整備や形態を維持した自然回復策が求められていることが明らかとなった。